【お役立ち情報】会社の格上げに。まず、この指標。

2017.06.08

銀行が融資するかどうかの判断根拠、その7割は決算書にあります。

なぜなら銀行が最も重要とするのは結果(過去)で、
試算表(現在)、見通し(未来)はそれに対してそこまで重要視されません。

また、決算書は3期分の提出を求められ、その変化も確認します。

そこで、銀行独自のシステムに登録し、「格付け」を行い、
その結果をもとに融資するかどうかや条件などがおおよそ決まります。

「格付け」は、決算書から計算されるさまざまな経営指標が点数化されて決定されます。
その指標の中でも配点が高い指標(銀行が重要視している指標)があります。

今回は、そのうちの1つをピックアップしてお伝えいたします。

経営指標は4つのカテゴリー「安全性」「返済能力」「収益性」「成長性」に分けられます。

今はまだ不景気の時代で、「安全性」「返済能力」が重要視され、配点が高い傾向にあります。

その「返済能力」をはかる経営指標の中に『債務償還年数』と呼ばれる指標があります。
この指標は、「現在のキャッシュ・フローで、今ある借入金を何年で返済できるのか?」を計算するもので、この年数が短ければ短いほど、「それだけ早く返済しようと思えばできる」ということであり、銀行としては安心材料(=融資しやすい)となるため評価は高まります。

計算方法は、
(借入金-運転資金-現預金)÷(経常利益-法人税等+減価償却費)です。

簡便的に、
(借入金-現預金)÷(税引後当期純利益+減価償却費)
で計算しても大きな問題はありません。

一般的には、『債務償還年数』は10年を超えると「赤信号」とされていますが、飲食業界での黒字企業の平均値は約2年なので、皆さまには、まずは5年、それをクリアできれば、次は2年を目指していただきたいと思います。

さて、この『債務償還年数』を良くする(短くする)方法ですが、
1.借入金を減らす、
2.経常利益を増やす、
3.キャッシュ・フローを改善して手元資金を増やす、
の3通りに集約されます。

1.については、無理に新たな借入をせず、新たな借入が本当に適切なものなのかもしっかり見極めないといけません。たとえば、新規出店の投資額が大きくなれば、その分借入金も大きくなり、それに対する利益が稼げないと債務償還年数は良くなりません。

2.については、売上高を増やす、または原価・人件費・経費のコスト削減をおこなうことが必要です。

3.については、また別の機会でお話したいと思います。

経常利益が増えると、もちろん、決算後に払う税金も増えます。

『債務償還年数』を気にせずに決算書が作られていて、節税重視になってしまっていることが多いです。

確かに税金の支払は少なく済ませたいものですが、節税をしすぎることで、いざという時に、「融資が通らない」「融資の条件が悪い」といった弊害が起こる可能性が増します。

節税を行ってその年の支出を抑えても、格付けが下がり融資で金利を上げられ、キャッシュ・フローが毎年悪くなってしまっては元も子もありません。

税金の支払が多いというのは悪いことばかりではないのです。

「目先の利益」より「先行き万全」を。

末長く続く体力のある企業を目指す方が、何かワクワクしませんか?
そんな企業を目指す方は、まずは『債務償還年数』に注目し、この指標を上げることを1つの目標としてみてはいかがでしょうか?